認知機能検査は「75歳から」運転免許更新時に義務化されています。
この記事では、検査が必要になる年齢やタイミング、内容、検査結果による流れまで、わかりやすく解説しています。
また、「検査に落ちたらどうなるの?」「事前に準備できることは?」といった不安にもお答えします。
75歳を迎えるご本人や、ご家族に高齢ドライバーがいる方にとって、必ず役立つ情報です。
安心して免許更新を迎えるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
認知機能検査は75歳から義務になる理由
認知機能検査は75歳から義務になる理由について解説します。
それでは、順番に見ていきましょう。
①75歳以上が対象となる法律の背景
認知機能検査が義務になる75歳という年齢、これはただの区切りではなく、しっかりと法的な根拠があるんです。
具体的には、平成29年の道路交通法改正によって「運転免許証の有効期間が満了する日が75歳以上の人」に対して、更新時に認知機能検査を義務付けるというルールが追加されました。
この背景には、高齢ドライバーによる重大事故の増加があります。判断力や記憶力の低下が事故につながるリスクが高くなるため、事前に検査で確認しておこうというのが目的です。
事故を未然に防ぐための「予防策」としてこの制度が導入されたんですね。
75歳という年齢は、統計的にも認知機能に変化が現れやすくなるタイミングとされており、その節目を制度に反映したというわけです。
つまり「高齢=危険」という偏見ではなく、あくまで安全のための確認というスタンスなんですよ~!
②免許更新時に必要な検査の内容とは
75歳以上の方が免許を更新する時には、ただ写真を撮って手数料を払えばOK……というわけにはいきません。
この年齢になると「高齢者講習」だけでなく、「認知機能検査」が必須になるんです。
認知機能検査は、運転に必要な記憶力や判断力をチェックするための簡易テストです。
手がかり再生(記憶の再現)と時間の見当識(日付や時間の感覚)が主な内容で、紙の試験またはタブレットで行われます。
検査時間はだいたい30分程度。特別な準備は必要ありませんが、落ち着いて取り組める環境が大事です。
決して「落とすための試験」ではなく、安全確認のための大切なステップなんですよ!
③通知のタイミングと受検可能時期
「いつ、どうやって検査を受けるの?」という疑問、ありますよね。
実は警察から、更新満了日の「6か月前」までに通知が届くようになっているんです。
この通知をもとに、各自で認知機能検査の予約をして、受検するという流れになります。
そして、受検できるのは「更新満了日の6か月前から」です。
早めに通知が来るので、スケジュールに余裕を持って受けられるようになっています。ギリギリまで放置すると免許が更新できないリスクもあるので注意してくださいね。
④検査を受けなかった場合のリスク
もし認知機能検査を受けなかったら……?そのリスクは大きいです。
まず、検査を受けなければ高齢者講習に進めません。そして講習が完了しないと、免許の更新手続きができないんです。
つまり、認知機能検査をスルーすると、結果的に運転免許の失効につながってしまうんですね。
さらに、信号無視などの交通違反をした場合には、臨時で再度検査を受ける必要があることも。
だからこそ、「通知が来たらすぐ予約して、早めに受けておく」これが本当に大切です!
検査自体は難しいものではないので、身構えすぎずに安心して臨んでくださいね。
検査内容はどんなもの?2つのステップで実施
検査内容はどんなもの?2つのステップで実施について解説します。
それでは、検査の具体的な中身をじっくり見ていきましょう!
①手がかり再生:記憶力を試す問題
「手がかり再生」というのは、簡単に言うと「記憶力テスト」です。
検査ではまず、4枚のイラスト(例:刀、アコーディオン、足、テレビなど)を1分ずつ見せられます。
その後、一旦まったく関係のない課題をこなして、しばらく時間をおきます。
そしていよいよ、本番。「さっき見たイラストを思い出してください」と聞かれるんですね。
まずはヒントなしで回答。そして次に、カテゴリー(動物、乗り物、衣類など)のヒントをもとにもう一度思い出して書いていきます。
この2段階で「短期記憶」と「ヒントを得た上での再構築力」の両方を確認しているんです。
ちなみに、点数化されるのはこのパートがメイン。ヒントなしで思い出せれば5点、ヒントを使ってもOKなら2.5点……というように採点されます。
難しそうに感じるかもしれませんが、特別な知識は不要ですし、絵も簡単なものばかり。リラックスして臨んでくださいね。
人によっては「何でこんなことやるの?」と感じるかもしれませんが、これは運転中の判断力・注意力と強く関係があるんです。
信号の色を記憶しておく、標識の意味を瞬時に理解する、こうしたスキルの土台に「記憶力」があるからなんですよ~。
手がかり再生は、まさにその力を見ている検査なんです!
②時間の見当識:日付や時間の認識力を測定
「時間の見当識」は、現在の「年月日・曜日・時刻」を答えるという、シンプルだけど奥の深いテストです。
なぜこれが重要かというと、「今がいつなのか」という認識がズレていると、日常生活だけでなく運転時の判断にも大きく影響するからです。
例えば「今日は何曜日?」と聞かれて、「えっと……水曜?あれ?金曜だったかな……」と迷うようだと、日々のスケジュール感覚も曖昧になってしまう可能性があります。
運転でいえば、「何時に病院の予約だったっけ?」「夕方のラッシュの時間だな」などの判断が鈍るリスクがあるということ。
この検査では、受検者が検査時点の「年」「月」「日」「曜日」「時刻(○時○分)」を答えます。
ちなみに多少の誤差(30分程度)は問題なし。感覚的に「午前中」や「夕方」など大きくズレなければ、大丈夫な範囲とされています。
こちらも紙に書いたり、タブレットに入力したりと、形式は地域や施設によって異なりますが、内容は基本的に全国共通です。
普段からカレンダーを見たり、テレビ番組の曜日感覚を大切にしたりすることで、自然と鍛えられている感覚でもありますね。
時間の感覚って、思った以上に生活全般と結びついてるんですよ~。
検査のときも「今何時くらいかな」と日常を意識していれば、スムーズに答えられるはずです。
この検査を通して、自分の「時間認識力」がどの程度あるかを見直すいい機会にもなりますよ!
認知症のおそれがあるとどうなる?結果とその後の流れ
認知症のおそれがあるとどうなる?結果とその後の流れについて解説します。
それでは、検査後の流れを具体的に見ていきましょう。
①検査結果は点数で判定される
認知機能検査では、結果が点数として出されます。
点数は100点満点中、36点以上で「認知症のおそれなし」と判定されます。
逆に、35点以下になると「認知症のおそれあり」とされ、その後の対応が必要になります。
具体的には、「記憶力を測るテスト(手がかり再生)」の正答数が大きな評価基準となります。
時間の見当識も加味され、総合的な判断が下されるんですよ。
検査後に、合格か不合格か分かる仕組みです。ドキドキしますが、正しい自己確認と思って受け止めましょう。
②「認知症のおそれあり」の次のステップ
検査で「認知症のおそれあり」(不合格)と判定されても、即免許取消しにはなりません。
この場合、「再受験」または「医師の診断書提出」のいずれかを求められます。
つまり、専門家による二次評価が行われるということです。
この対応によって、実際に「認知症である」と診断されれば、免許の効力に影響することになります。
でも、「おそれがある」とされた方の中にも、実際には問題なかったというケースも多くあります。
だから、怖がりすぎずに、しっかりと医療機関で診てもらうことが大切です。
再評価で問題がなければ、従来通り運転を続けることも可能になりますよ。
③診断書提出とは
診断書提出の場合は、かかりつけ医や専門医による「認知症の有無」に関する正式な診断が必要になります。
この段階では、検査機関や医療機関の予約などが必要になるため、早めの対応がとても重要になります。
「わからないから不安…」というときは、地域の警察や運転免許センターに相談するのもOKですよ。
一人で抱え込まず、必要な情報を得て、手続きに備えましょう。
④免許取り消しや停止になるケース
もし、最終的に「認知症である」と医師に診断された場合、次は公安委員会が判断を下します。
この際、聴聞などの正式な手続を経た上で、「運転免許の取消し」または「効力の停止」が行われます。
取消しとなれば、新たに免許を取得することは非常に困難になりますし、効力停止の場合も期間中の運転はできません。
ただし、このような対応はあくまで「安全のための最後の手段」として用いられます。
免許を維持したいという気持ちも大切ですが、まずは自分自身と周囲の安全を第一に考えることが求められる場面です。
家族や医師とも相談しながら、最善の選択をしていきたいですね。
「免許を返納する」という選択も、前向きな人生の一歩ととらえる方も増えていますよ。
こちらのブログ記事では不合格になった時の対処法が分かりやすく書かれています>>>
75歳以上で交通違反をした場合の追加検査とは?
75歳以上で交通違反をした場合の追加検査とは?について解説します。
次は、交通違反がきっかけで行われる「臨時の認知機能検査」について見ていきましょう。
①信号無視などが対象になる
75歳以上のドライバーが「特定の交通違反」をすると、その行為がきっかけで「臨時認知機能検査」が課されることがあります。
ここでの「特定の違反」とは、例えば以下のようなものです:
違反の種類 | 例 |
---|---|
信号無視 | 赤信号を無視して交差点に進入 |
通行区分違反 | 車線をまたぐ、逆走など |
通行禁止違反 | 進入禁止の標識を無視 |
踏切不停止 | 遮断機が下りているのに通過 |
このような違反をした場合、運転技術だけでなく「認知能力に問題がないか?」を再確認されるという仕組みです。
違反が重なると、再検査の対象になる可能性も高くなりますよ。
②臨時認知機能検査の内容と手順
臨時の認知機能検査の内容は、通常の更新時とまったく同じです。
つまり、「手がかり再生」と「時間の見当識」をベースにしたテストが行われます。
ただし、流れが少し違います。
違反後に警察から通知が届き、指定された日時で検査を受けるよう求められます。
通知が届いてから放置しておくと、免許停止や取消しになる可能性があるので要注意です。
違反から日数があまり経たないうちに連絡が来ることが多いので、違反をしてしまったら「来るかも」と準備しておくのが安心です。
③過去の検査結果があっても再検査の可能性
「え、前に検査受けて合格したんだけど?」という方も多いと思います。
実は、過去に「認知症のおそれがない」とされたとしても、交通違反によっては再検査が必要になります。
特に違反内容が重大だったり、頻度が高かった場合には、再び認知機能を確認する必要があるんですね。
これは「変化があるかもしれない」「以前の検査時から時間が経っている」など、経過観察的な意味合いもあります。
だからこそ、過去の結果に安心しすぎず、日頃から体調管理や生活リズムの見直しが重要になりますよ。
「また受けるのか…」と感じるかもしれませんが、安全な運転を続けるためのサポートと思って前向きに受けてみてくださいね。
認知機能検査に関するQ&Aとよくある誤解
認知機能検査に関するQ&Aとよくある誤解について解説します。
認知機能検査に関して、よくある疑問をまとめてみました。
①医師による診断とは違うって本当?
はい、本当です。認知機能検査は「医師の診断」とは明確に異なります。
この検査は、運転に支障が出そうな認知機能の低下があるかを「スクリーニング(ふるい分け)」するためのものです。
つまり、あくまで一次的な確認であり、「認知症と確定診断するものではない」ということなんですね。
そのため、検査で「おそれあり」とされた場合には、必ず専門医による診断が必要になります。
医師が問診やCT検査などを通じて、正式に「認知症かどうか」を判断する流れになるので、検査結果を過剰に不安視する必要はありません。
むしろ「気づくきっかけ」として前向きに受け止めてくださいね。
②事前に練習や準備はできるの?
実は、ある程度の準備はできます。
警察庁の公式サイトでは、「手がかり再生」に出題されるイラストの例や、進行要領、採点方法などが公開されているんです。
例えば、ご家族に協力してもらって模擬テストをやってみるのも良いですね。
ただし、「丸暗記」して挑むというよりは、記憶力を自然に使うことを目的にした練習の方が効果的ですよ。
また、「時間の見当識」については、普段からカレンダーや時計を見る習慣をつけておくことで、自然に鍛えられます。
認知機能は、急に変化するものではなく、日常生活の積み重ねで保たれるものですから、こまめに意識しておくと良いですよ~!
③よくある不安や心配の声に答える
ここでは、実際に受検を控えた方からよく聞く不安の声をピックアップし、それにお答えしていきます。
不安の声 | 答え |
---|---|
緊張して何も思い出せなかったら? | 大丈夫です。ヒントも用意されているので、落ち着いて取り組めば大丈夫です。 |
昔から記憶力が悪いけど、影響する? | 一時的な記憶より、全体的な判断力や傾向が見られるので、極端に心配しなくても大丈夫。 |
検査で失敗したらすぐ免許取消し? | いいえ。診断や追加検査を経て判断されます。すぐに取消しにはなりません。 |
検査は不安になりがちですが、「安全運転を続けるための確認」なので、ポジティブに受け止めましょう!
まとめ|認知機能検査は75歳から必要になる理由
認知機能検査は、75歳以上の高齢者が安全に運転を続けるための確認手段として義務付けられています。
検査の内容は記憶力と時間感覚をチェックするもので、特別な勉強や知識は不要です。
もし「認知症のおそれあり」とされた場合でも、すぐに免許が取消されるわけではなく、医師の診断などの手続きを経て慎重に判断されます。
さらに、特定の交通違反がある場合には、更新時期に関わらず臨時で検査を受けることになることもあります。
検査に不安を感じる方もいるかもしれませんが、これは「落とすための試験」ではなく、あくまで安全のための確認です。