高齢者講習で実施される「認知機能検査」の中でも、とくに緊張するのが「今は何時何分ですか?」という見当識の質問での回答となります。
試験が始まってから30分経過した時間を書けば問題無いです。
この記事では、「時間の見当識とは何なのか」「何分まで正確に答える必要があるのか」「時計が見られない状態でどうすればよいのか」など、よくある疑問にわかりやすくお答えします。
そんな悩みに寄り添いながら、実際の回答用紙の構成や注意点も踏まえて解説していきます。
認知機能検査が不安な方や、ご家族のサポートをしたい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
認知機能検査の時間の見当識とは何かを徹底解説
認知機能検査の時間の見当識とは何かを徹底解説します。
それでは順番に解説していきますね。
①時間の見当識とは何を問われるのか
「時間の見当識」は、認知機能検査の中でも「見当識領域」に分類される重要なパートです。
問題文には、「以下の質問にお答えください。」と記載されており、設問はすべて記述式です。
出題されるのは以下の5項目です。
- 今年は何年ですか?
- 今月は何月ですか?
- 今日は何日ですか?
- 今日は何曜日ですか?
- 今は何時何分ですか?
受検者は、腕時計や壁の時計を隠された状態で、感覚に基づいてこの5つの項目に解答用紙へ記入します。

②「何時何分」とはどの程度の正確さが必要か
この「何時何分」という問題、実はそんなに厳密な精度は求められていません。
だいたい30時間以内のズレなら、問題ないと言われています。
例えば、現在が「10時00分」だったとして、10時30分と答えても正解だと思っています。
ただし、朝と夜を完全に取り違えてしまうとか、極端にズレる(例:午後1時を午前8時と言う)と不正解です。
重要なのは「その人が現時点の時間帯をだいたい感覚で把握しているかどうか」なので、完璧を求めなくてもOKです。
受ける側としては「試験が始まる前に現在時間を見て覚えておく」これがポイントです。
③時計をしまう理由とその意図
時計を隠すのは、「本当に時間を覚えているか」「感覚があるか」を試すためです。
目の前に時計があれば、誰でもすぐに正確な時間を答えられてしまいますよね。
それでは、認知機能の状態を判断することができません。
だから、試験の前に「腕時計やスマホの時計を見えないようにしてください」と言われるんです。
ちょっと不安になるかもしれませんが、「時間の見当識」が見たいだけなので、普通の人でも多少はズレることがあるんですよ。
日頃から時計をあまり見ない人ほど、感覚がズレやすいので要注意です。
④時刻を思い出すためのコツとは
では、時計を見られない状況で、どうやって時刻を思い出せばいいのでしょうか?
コツのひとつは、「検査が始まる前に、ちらっと時計を確認しておく」ことです。
もちろん堂々と見るのはNGですが、部屋に入る前などに「だいたい今は10時かな」と意識しておくと、それだけで答えやすくなります。
もう一つのコツは、「その日の行動パターンを思い出す」こと。
⑤他の見当識項目との違い
時間の見当識以外にも、認知機能検査には「年月日」や「曜日」を問う問題もあります。
たとえば「今日は何年ですか?」「今日は何月ですか?」「今日は何日ですか?」「何曜日ですか?」という質問ですね。
これらは比較的わかりやすいのですが、「曜日」だけは意外と混乱しやすいです。
特に退職後など、毎日が休日のようになっている方は「え?今日木曜だっけ?」と迷うことも。
時間の見当識は、その中でも最も難易度が高いとされていて、正確に答えられない人も多いです。
試験の日はこの点もしっかり確認して出かけましょう!
認知機能検査で「時間を答える」時の注意点5つ
認知機能検査で「時間を答える」時の注意点について5つ紹介します。
それでは、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
①30時間以内の誤差はOKとされている
まず知っておきたいのは、時間の見当識で求められるのは「おおよその感覚」だということです。
ぴったり「10時17分」なんて正確に言える必要はまったくありません。
多くの検査では30分以内のズレ」なら正解です。
たとえば、今が10時15分だったとして、10時45分と答えても大丈夫。
逆に、昼と夜を間違えるような答え(例:午後3時を午前3時と言ってしまう)になると、見当識のズレがあると判断される可能性があるので注意が必要です。
②緊張でパニックにならない対処法
「どうしよう、わからない…」と焦ってしまう方、多いんですよ。
でも安心してください。時間を間違えても、それだけで不合格になるわけじゃありません。
それでも不安な方は、事前に家族と「今何時?」クイズを日常でやってみるといいですよ。
感覚がつかめてくると、自信が持てるようになります。
検査当日も深呼吸して、「落ち着いて記入すれば大丈夫」と自分に言い聞かせてくださいね。
③うっかり嘘の時間を書いてしまったら?
「たぶん…午後3時かな?」って書いたあと、「あ、やっぱり違ったかも」と思うこともありますよね。
そんな時は時間を訂正してください。
あくまでも「感覚を見るテスト」なので、正解・不正解というよりは「ズレ具合」が基準以内に書かれていればOKです。
④タブレット版と紙版の違いに注意
認知機能検査には、タブレットを使ったものと紙ベースのものがあります。
どちらを受けるかは自治体や教習所によって違いますが、それぞれ流れに違いがあります。
タブレット版では、前半の「手がかり検査」で合格点の36点以上になった時点で終了です、後半の時間の見当識はやらなくて合格となります。
一方、紙ベースの検査では、すべての項目を最後まで実施します。
そのため、タブレット版を受ける予定の方は、「最初で合格点を取れれば早い方は10分位で終わります」。
ただし、どちらの形式でも「時間の見当識」は一応、準備しておいて損はありません。
家族や本人が検査前に準備しておくべきポイント
家族や本人が検査前に準備しておくべきポイントを紹介します。
それでは、順に解説していきますね。
①「時間感覚」を保つための生活習慣
時間の見当識を保つためには、日頃から規則正しい生活をしているかどうかが大事です。
たとえば「毎朝7時に起きて、8時に朝食、10時に散歩」など、日課が決まっていれば、自然と体内時計も整っていきます。
逆に、毎日がだらだらと曖昧なスケジュールだと、「今が何時ごろなのか」が分からなくなりやすいんです。
高齢になると体内時計もズレやすくなるので、特に朝の習慣を安定させるのがポイントですよ。
日中に太陽の光を浴びることで、時間感覚をリセットできるので、できれば午前中に外出する習慣をつけておきましょう。
②日常会話に「何曜日?」「何時?」を取り入れる
会話の中でさりげなく時間や曜日を確認する習慣もおすすめです。
たとえば「今日は木曜日だけど、スーパーの特売日だね」とか「今、10時だからちょっとお茶しようか」といった言い方ですね。
こうした自然な会話の中で、脳に「今が何曜日か、何時か」を考えるきっかけを与えることができます。
「今日は何曜日だったっけ?」と本人に問いかけるのも効果的ですよ。
クイズ感覚で楽しめれば、認知機能のトレーニングにもなりますし、コミュニケーションの機会にもなります。
無理にやらせるのではなく、あくまでさりげなく取り入れてくださいね。
③本人に不安を与えない声かけ
検査を受けるとなると、本人はとても緊張します。
特に「認知機能検査」と聞くと、「ボケてると思われるのでは」と心配になりがちです。
なので、家族としては「体調チェックみたいなものだよ」「みんな受ける普通のテストだよ」といった声かけをしてあげてください。
プレッシャーを与えずに、「ちょっと頭の運動みたいな感じでやれば大丈夫」と伝えるのがポイントです。
本人がリラックスして受けられるよう、温かくサポートしてあげましょう。
④トレーニングにおすすめのアプリや方法
時間感覚を鍛えるには、日常の中で「今何時?」と考える習慣が効果的ですが、アプリなども使うとより効果的です。
おすすめなのは「脳トレアプリ」や「見当識トレーニングアプリ」などで、無料で使えるものも多くあります。
たとえば「もの忘れ外来」監修のアプリや、「脳にいい日記」などの習慣アプリも人気です。
また、紙のカレンダーや手帳に「今日は木曜日」と自分で書き込むのも、立派なトレーニングになります。
大切なのは、無理なく続けられること。
「頑張ろう!」ではなく「楽しみながら続けよう」が合言葉ですよ~!
見当識が悪いとどうなる?検査結果の活かし方
見当識が悪いとどうなるのか、検査結果をどう活かせばよいのかを解説します。
それでは、それぞれの項目を見ていきましょう。
①結果によって講習や再検査が必要になる?
認知機能検査の結果は、高齢者講習の受講内容を大きく左右します。
もし見当識(時間・年月日・曜日)などの設問で点数が35点以下の場合は、「認知機能が低下している可能性あり」(不合格)と判断された場合、通常の講習ではなく、**専門医の診断やあるいは再受験**が必要となります。
また、その結果によっては運転免許の更新が保留・停止されることもあります。
ただし、1回の検査だけですべてが決まるわけではなく、医師の診断や再検査によって「問題なし」とされることも多いです。
ですので、あまり悲観せず、次にどう行動するかが大事なんですよ。
②認知機能低下の早期サインと捉えるべき理由
見当識の点数が低かったとしても、それは「認知機能が少し落ちてきているかも?」という**サインに気づくきっかけ**です。
時間の感覚や日付の認識は、記憶力や注意力と密接に関わっています。
なので、少しでも「最近ズレが多いな…」と気づいたら、脳を活性化させる習慣(会話・運動・食事・趣味)を取り入れてみるのがオススメです。
早めに気づくことで、進行を防ぐ対策も取れますよ。
③医師への相談タイミングと活用法
特に「同じようなことを何度も聞く」「曜日や時間の感覚が頻繁にズレる」といった症状が日常でも見られる場合は、一度「もの忘れ外来」や神経内科で相談するのが安心です。
医療機関での正式な診断を経て、必要に応じて治療や生活支援のアドバイスが受けられます。
早期発見は、本人の生活の質を守るためにもとても大切です。
④家族としてできるサポートの具体例
本人が「見当識がズレている」と分かったとき、落ち込んでしまうこともあります。
そんなときは、家族のサポートが本当に力になります。
たとえば「日常の会話で自然に曜日や時間を話題にする」「一緒にテレビの番組表を見てスケジュールを立てる」など、見当識を鍛えるような工夫が効果的です。
また、「できていること」に目を向けて、「まだまだ大丈夫だよ」と伝えることも忘れずに。
本人の不安を和らげ、自信を失わせないことが何より大事です。
家族で一緒に取り組めば、楽しみながら支え合えますよ。
まとめ|認知機能検査の時間の見当識のポイントを確認しよう
認知機能検査の「時間の見当識」は、単なる知識を問うものではなく、普段の生活の中で培われる感覚を見ています。
大切なのは、普段から生活のリズムを整え、日常の中で時間を意識する習慣を身につけておくことです。
時間の見当識で何時何分は試験が始まる前に時計を見て現在時間を覚えて30分位の経過時間を記入すればOKです。