結論から言うと、高齢者の免許更新は「毎年」ではありません。ただし、年齢が上がるごとに更新の頻度は短くなり3年です、講習や検査の手間も増えるため、「毎年のように感じる」人が多いのです。
この記事では、「高齢者 免許更新 毎年？」と疑問に思う方に向けて、更新期間の仕組みや年齢別の条件、必要な講習、認知機能検査の内容までをわかりやすく解説しています。
さらに、運転に不安を感じたときの免許返納や、その後に得られる特典・サポートについても紹介。
読めば、これからの運転をどう考えるか、自信を持って判断できるようになりますよ。
ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
高齢者の免許更新は毎年なの？頻度と条件をチェック
高齢者の免許更新は毎年なのか、更新頻度とその条件についてチェックしていきましょう。
それでは順番に解説していきますね。
①70歳未満と70歳以上で有効期間が違う
まず大前提として、免許の有効期間は年齢によって異なります。
70歳未満の優良運転者なら、有効期間は5年間となっています。
一方で、70歳を過ぎるとこの期間がだんだんと短くなっていきます。
「70歳になると急に手続きが増えるのでは？」と心配になる方も多いですが、実際には、更新期間が短くなるだけで、毎年更新が義務になるわけではないんです。
つまり「年齢が上がるにつれて、少しずつ慎重にチェックされていく」というイメージですね。
②71歳～は4年、72歳～は3年更新に
具体的に見ていくと、71歳になる年に免許更新を迎える方の有効期間は「4年」となります。
さらに、72歳以上になると有効期間は「3年」となり、ここからがいわゆる「短期スパンでの更新」になります。
この変更の背景には、やはり高齢化社会における安全運転の確保という視点があります。
運転技能や身体機能の変化をより短いスパンで確認する必要があると判断されているんですね。
「なぜ自分だけ短いの？」と疑問に思う方もいらっしゃいますが、これは制度上の決まりです。
③違反歴があると年齢に関係なく3年
ここで注意が必要なのは、年齢に関係なく「違反歴」があると、有効期間は一律3年になるという点です。
つまり70歳未満でも、過去に交通違反をしていた場合は、有効期間が短くなります。
これはゴールド免許ではない方に適用されるルールです。
安全運転を続けることが、更新期間を長く保つ秘訣でもあるわけですね。
「高齢だから」ではなく、「違反をしていないか」が大きく関係するんですよ。
④「毎年」と感じる理由とは？
「高齢者の免許更新って毎年じゃないの？」と感じる理由には、心理的なものもあります。
たとえば、有効期間が短くなったことで「頻繁に更新に行かなきゃいけない」という印象を持つ人もいます。
さらに、75歳以上になると「認知機能検査」が加わり、その手続きが増えるため、「またか…」という感覚になりがちです。
家族も巻き込んで講習の予約や送迎などをすることで、負担を感じるケースも多いんです。
なので、実際に「毎年更新」ではなくても、体感としては「年1ペースで何かしてる」と感じるのはよくあることですね。
高齢者講習って何をするの？講習内容を詳しく解説
高齢者講習って何をするの？講習内容を詳しく解説していきます。
さっそく順番に見ていきましょう。
①座学では交通ルールや事故例を学ぶ
高齢者講習の最初は「座学」からスタートします。
この座学は約30分で、主に道路交通法の最新改正点や、最近の交通事故の傾向について解説されます。
意外と「そんな法律変わってたの？」というような話も多く、現役ドライバーでも知らなかった情報を得ることができます。
また、高齢ドライバーが起こしやすい事故パターンなども紹介されるので、「自分だったら…」と照らし合わせる機会にもなりますよ。
自分の運転を客観視する第一歩として、けっこう大事な時間なんです。
②視力検査は3種類でチェックされる
次に行われるのが視力関連の検査です。
通常の免許更新ではいわゆる「ランドルト環（Cの穴あき）」を見るだけですが、高齢者講習ではなんと3種類の視力検査があります。
・動体視力検査：動いている物体を視認できる力
・視野角度の検査：正面を向いたままどこまで視野が届いているか
・夜間視力検査：夕暮れや夜の運転時にどれくらい見えているか
この3つを通して、運転に必要な「見る力」が十分かどうかをチェックされるわけですね。
「夜になると標識が見えづらい」と感じている人には、特に重要なポイントです。
③実技講習で運転技術も確認
講習の目玉ともいえるのがこの「実技」です。
約60分かけて教習所内のコースを運転します。
内容としては、信号での停止、一時停止、S字カーブ、クランクなど。
いわゆる技能試験のようなものではなく、「普段どおりの運転で癖や注意点を確認する」ことが目的です。
講師が同乗し、安全確認やハンドル操作の正確さなどを見てくれます。
講習後にアドバイスももらえるので、自分の運転に対する新たな気づきもありますよ。
④必要な書類と持ち物を知っておこう
講習に行く際には必要な持ち物があります。
・運転免許証
・高齢者講習のお知らせ（ハガキ）
・筆記用具
・眼鏡や補聴器（必要な方）
この「講習のお知らせ（ハガキ）」は、免許の有効期限の5〜6ヶ月前に自宅に届きます。
これを受け取ったら、すぐに講習の予約を入れるのがおすすめです。
教習所の予約枠は埋まりがちなので、ギリギリだと空きがない…なんてこともありますから。
75歳以上は要注意！認知機能検査の内容と対策
75歳以上は要注意！認知機能検査の内容と対策について詳しく見ていきましょう。
それでは順に説明していきます。
①認知機能検査は2つのテスト
75歳以上の方が免許更新を行う際には、「認知機能検査」が義務づけられています。
この検査は、記憶力と時間感覚の2つを確認するテストで構成されています。
まず1つ目は「手がかり再生」です。16種類のイラストを記憶して、一定時間後に回答する記憶テストです。
ヒントなしの自由回答 → ヒントありの再回答と、2段階の構成で評価されます。
2つ目は「時間の見当識」です。受検日が何年何月何日、何曜日、何時かを答えるもので、時間感覚が正常かどうかを見ます。
以前行われていた「時計描写」は現在廃止されており、この2つだけです。
②36点以上で合格！明確な判定基準
認知機能検査の合否は、100点満点中のスコアで一発判定されます。
● 36点以上 → 合格。認知症の疑いはなしと判断され、高齢者講習を受ければ免許更新可能です。
● 35点以下 → 不合格。認知症のおそれありとされ、医師の診断を受ける必要があります。
このように、非常にシンプルで明確なラインが設けられているのが特徴です。
一見厳しそうですが、覚えておけば対策もしやすくなりますよ。
③不合格でもすぐに失効ではない
35点以下になったとしても、すぐに免許が失効するわけではありません。
この場合はまず「かかりつけ医」や専門医の診断を受けて、実際に認知症であるかを確認します。
医師が「認知症ではない」と診断した場合は、「高齢者講習」を受講することで更新が可能になります。
また、診断書提出などの事務手続きも必要となりますが、再挑戦の機会はちゃんとあるので安心してくださいね。
④認知症と診断されたらどうなる？
医師の診断で「認知症である」と判定された場合、免許の更新は認められません。
この場合、免許の停止や取り消しといった行政処分が行われます。
これは決して罰ではなく、安全と命を守るための大切なルールです。
「まだ大丈夫」と思っていても、検査や診断で気づくことも多く、交通事故のリスクを減らす大切なきっかけになります。
少しでも不安がある方は、早めに検査の準備をしたり、家族と相談するのもおすすめですよ。
認知症のテスト問題です＞＞＞
運転に不安があるなら免許返納も選択肢
運転に不安があるなら免許返納も選択肢の一つです。
それでは順に見ていきましょう。
①免許返納の手続きと費用
「運転が怖くなってきた」「家族からも心配されている」そんなときは、思い切って免許を返納するのも一つの選択です。
免許の自主返納は、居住地を管轄する警察署や運転免許センターで行えます。
手続き自体は非常にシンプルで、所定の用紙に記入するだけ。
手数料は無料です。
「返納するともう身分証がなくなる」と思われがちですが、実はそんなことないんです。
②返納後の身分証「運転経歴証明書」
免許を返納すると、希望者には「運転経歴証明書」が交付されます。
これは公的な身分証明書として使えるもので、有効期限もありません。
見た目は免許証とそっくりで、ATMや携帯電話の契約、ホテルのチェックインなど、幅広い場面で使えます。
「免許がなくなったら何に身分を証明すればいいの？」と不安な方も、これがあれば安心です。
取得には申請が必要なので、返納時に忘れずに申し出てくださいね。
③返納特典でお得になるサービス
自治体によっては、免許返納者向けの特典が用意されています。
代表的なものとしては、以下のようなものがあります。
| 特典内容 | 対象サービス |
|---|---|
| 公共交通機関の割引 | バス・電車・モノレール |
| タクシーの割引券 | 市内のタクシー会社 |
| 買い物や飲食の割引 | 提携スーパー・飲食店 |
| 旅行・宿泊の優待 | 地元旅行代理店やホテル |
これらは自治体によって異なるので、住んでいる地域の警察署や役所に問い合わせてみてくださいね。
④家族で話し合って決めることが大切
運転の継続か返納か…これはとても大事な判断です。
だからこそ、一人で悩まずに家族で話し合って決めてほしいと思います。
「まだ運転できる」と本人が思っていても、家族から見ると不安な面が見えていることもあります。
逆に、「返納したら自由がなくなる」と感じる人には、サポートや移動手段の相談も大切です。
大事なのは、安全と安心を両立させること。無理せず、心の余裕をもって選択できるといいですね。
まとめ｜高齢者の免許更新が気になる方へ
| 更新期間の違い | 対象者 |
|---|---|
| 70歳未満：有効期間5年 | すべての優良・一般運転者 |
| 71歳：有効期間4年 | 誕生日で71歳になる方 |
| 72歳以上：有効期間3年 | それ以降の方全員 |
| 違反歴あり：年齢問わず3年 | すべての違反運転者 |
高齢者の免許更新は「毎年」ではないものの、年齢に応じて更新期間が短くなり、講習や検査が増えるため体感的には「頻繁」と感じやすいものです。
特に75歳以上では、認知機能検査が加わるため、早めの準備や理解が大切になります。
また、運転に不安がある場合は「免許返納」という選択肢もあり、各自治体での特典制度や支援も用意されています。
家族と話し合いながら、安全で安心できる選択をしていきましょう。
