運転免許の更新、何歳から「高齢者講習」が必要かご存じですか?
実は、免許更新時に70歳以上の方には「高齢者講習」が義務づけられていて、さらに75歳以上になると「認知機能検査」もセットで受ける必要があります。
65歳以上でも講習があると勘違いしている方も多いですが、制度上は70歳からが対象です。
この記事では、高齢者講習の具体的な内容や流れ、認知機能検査のポイント、予約方法、そして制度の最新動向まで丁寧に解説しています。
「いつ」「どこで」「何を持っていけばいいのか」まで一つずつ確認できる内容なので、不安な方も安心して読み進めてくださいね。
免許更新 70歳以上は高齢者講習が必須です
免許更新 70歳以上は高齢者講習が必須です。
それでは、それぞれのポイントを詳しく解説していきますね。
①どんな人が高齢者講習を受ける必要があるの?
高齢者講習が義務付けられているのは、運転免許の更新期間に「満70歳以上」となる方です。
一方で、「65歳以上70歳未満」の方には高齢者講習の義務はありません。
年齢的に“高齢者”とされる65歳以上でも、運転免許更新において法的な講習が必要になるのは70歳からです。
そして、75歳以上になると「認知機能検査」が追加され、さらに条件が厳しくなります。
70歳~74歳の方は、高齢者講習(実車や視力検査など)を受けることで免許更新が可能になります。
該当者には更新前に「講習のお知らせハガキ」が届きますので、その案内を確認して準備を進めてくださいね。
②更新時期と講習案内のハガキについて
免許更新の時期が近づくと、自宅に「高齢者講習のお知らせ」のハガキが届きます。
このハガキには、自分が受けるべき講習の種類や受講期限、指定された教習所の一覧などが記載されています。
この講習を受けないと、免許の更新ができませんので、届いたらすぐに内容を確認しましょう。
予約は電話またはインターネットで可能ですが、時期によっては混み合うため、早めの手続きが安心です。
特に年度末や年末年始などの繁忙期は予約が取りにくいことがあるので、注意してくださいね。
③高齢者講習の内容と流れをわかりやすく解説
高齢者講習の内容は大きく3つに分かれています:
- 交通ルールや事故防止に関する座学(講義)
- 視力・動体視力・夜間視力などの検査
- 教習所内での実車運転(技能確認)
講習の目的は、運転能力の確認と安全運転意識の向上です。
特に実車講習では、ブレーキ操作や周囲確認など、基本的な運転技能を確認されます。
ですが、これは試験ではなく「確認」ですので、落ちる・受からないというものではありません。
講習中はインストラクターの方が丁寧にサポートしてくれるので、安心して受けてくださいね。
講習の所要時間は、通常で約2時間、優良運転者の場合は約1時間程度です。
④必要な持ち物と当日の注意点
当日の持ち物と注意点は以下の通りです:
持ち物 | 備考 |
---|---|
講習案内のハガキ | 必ず持参しましょう。予約にも必要です。 |
運転免許証 | 本人確認書類として必須です。 |
眼鏡・補聴器など | 普段運転で使用している場合に必要です。 |
受講料(現金) | 現金払いのみの教習所もあります。 |
服装は運転しやすい格好がおすすめです。スカートやサンダルは避けましょう。
また、講習時間が長くなる場合もあるため、体調管理や水分補給も大切です。
⑤受講料はいくら?費用について詳しく解説
受講料は以下のようにタイプによって異なります:
講習タイプ | 対象者 | 費用(目安) |
---|---|---|
通常講習(2時間) | 70歳以上(一般) | 約5,100円 |
簡易講習(1時間) | 優良運転者(違反歴なし) | 約3,000〜3,500円 |
認知機能検査+講習 | 75歳以上 | 約7,000〜8,000円 |
料金は教習所や地域によって多少異なるため、案内のハガキを必ず確認してくださいね。
また、地域によっては高齢者支援制度や補助金が使える場合もあります。
③高齢者講習の内容と流れをわかりやすく解説
高齢者講習の内容は、講習区分(一般・簡易など)によって異なりますが、基本的には次の3つのパートで構成されています:
- 交通ルールや安全運転に関する座学(講義)
- 視力・動体視力・夜間視力などの適性検査
- 教習所内での実車運転(技能確認)
この講習は「試験」ではなく、「安全な運転ができているかどうかの確認」です。
緊張する必要はまったくありません。インストラクターも丁寧にサポートしてくれるので安心してくださいね。
実車講習では、教習所内のコースで発進・停止・右左折などの基本的な運転を行います。
落ちる・受かるというものではありませんが、「この人は安全に運転できそうか?」という目で見られます。
講義では、最近の交通事故の傾向や、加齢による運転能力の変化についても学びます。
この講習を通して、運転の自信を取り戻したり、見直したりするきっかけにもなりますよ。
ちなみに筆者の親も受講しましたが、「意外と面白かった!」とのことでした。教習所の雰囲気もアットホームで安心だったそうです。
75歳以上は認知機能検査もセットで必要
75歳以上は認知機能検査もセットで必要です。
それでは、75歳以上の方に必須となる認知機能検査について詳しく解説していきますね。
①認知機能検査の目的とは?
認知機能検査は、75歳以上の方が運転免許を更新する際に、記憶力や判断力に問題がないかを確認するための制度です。
高齢ドライバーによる事故を未然に防ぐため、2022年5月から制度が改正され、より実態に即した運用がされています。
検査を受けることで、自身の運転能力を客観的に把握できるため、本人にとっても安心材料になります。
また、運転免許センターや公安委員会にとっても、安全に運転を続けられる方かどうかを確認する重要な判断材料なんですね。
「運転を続けたい」という気持ちを尊重しつつ、安全性を確保するための仕組みなんですよ。
②検査の具体的な内容と評価基準
認知機能検査では、以下の2つのテストを通じて判断力や記憶力を確認します:
- 手がかり再生: 表示された16枚のイラストを記憶し、あとで回答する。
- 時間の見当識: 「今日は何年?何月?何曜日?」などを答える。
検査は紙ベースとタブレットで行われています。
筆記がメインなので、文字が書ければ問題ありませんし、計算問題などは一切ありません。
この検査で得られた情報をもとに、公安委員会が「認知症のおそれがあるか・ないか」を総合的に判定します。
なお、以前のように点数(◯点以上で合格)は現在の制度では使われていません。
③「認知症のおそれなし」と判定される条件
検査の結果、「認知症のおそれがない」と公安委員会が判断すれば、高齢者講習を受講して免許更新が可能になります。
この場合、受講する講習の区分(一般講習・短縮講習)は、運転履歴などに応じて個別に決められます。
多くの方はここに該当し、無事に免許更新へと進めます。
「検査=免許取り消し」と不安になる方もいますが、ほとんどの受検者はこの「認知症のおそれなし」に分類されています。
検査を怖がる必要はありませんし、事前に過去問題などを確認しておくと、より落ち着いて受けられますよ。
④「認知症のおそれあり」の場合の流れ
もし検査結果で「認知症のおそれがある」と判定された場合は、次のステップとして「医師の診断」が必要になります。
この診断の結果に基づき、運転免許の更新ができるかどうかが決定されます。
診断の結果によって、以下のような対応がとられます:
- 認知症と診断された場合: 運転免許の停止または取り消し。
- 認知症でないと診断された場合: 通常の高齢者講習を経て免許更新が可能。
このように、「おそれあり」とされたからといって、すぐに免許を失うわけではありません。
むしろ早期に健康状態を把握できる良い機会と捉えることもできます。
また、検査や診断の結果に納得できない場合は、再検査やセカンドオピニオンを受けることも可能です。
運転を続けるか、免許を返納するかを考えるうえでも、非常に重要なプロセスになりますね。
高齢者講習の受け方と予約の手順
高齢者講習の受け方と予約の手順について解説します。
それでは、講習の受講までにやるべきステップを順番に解説していきますね。
①講習案内ハガキが届いたらまず確認
70歳以上の方には、免許更新の時期が近づくと「高齢者講習のお知らせ(講習通知書)」がハガキで届きます。
このハガキには、「あなたがどの講習を受けるか(講習区分)」や、「認知機能検査の有無」などが書かれています。
まずはこの内容をよく読み、自分が受けるべき講習がどのタイプなのかをしっかり把握しましょう。
ハガキの内容によって、受講する場所や必要な準備も変わるので、軽く見るだけで終わらせないようにしてください。
また、受講できる期限も記載されているので、そのスケジュールに間に合うよう早めに動くことが大切です。
この通知書が講習の「スタート地点」になりますので、失くさないようにしっかり保管してくださいね。
②講習場所の選び方と探し方
講習場所は、お住まいの都道府県ごとに指定の教習所・免許センターなどで受けられるようになっています。
ハガキに「講習が受けられる施設名一覧」が載っている場合もありますし、自分で近くの教習所に問い合わせることも可能です。
なるべく自宅から近い場所、行きやすい場所を選ぶことで、当日の移動もラクになります。
公共交通機関の便がよい場所、車で行ける場所(駐車場あり)など、アクセスのしやすさもポイントですね。
また、施設によっては予約がすぐに埋まってしまうところもあるので、候補は複数持っておくと安心です。
③電話・ネット予約の方法と注意点
講習の予約方法は、基本的に次のいずれかです:
- 教習所やセンターに電話で直接申し込む
- 一部の地域ではインターネット予約にも対応
電話予約の場合、受付時間や定休日があるので、なるべく平日の日中に連絡するようにしましょう。
予約時に必要な情報は次の通りです:
- 講習案内ハガキに書かれている整理番号や区分
- 氏名・住所・生年月日
- 希望する講習日
電話の際はメモの準備を忘れずに。日にちや時間、持ち物の再確認も大切です。
ネット予約が可能な場合は、都道府県の公安委員会サイトや免許センターのHPに案内があります。
④当日までにやるべき準備
予約が完了したら、講習当日までに次の準備をしておきましょう:
準備項目 | 備考 |
---|---|
持ち物の確認 | ハガキ・免許証・眼鏡など |
交通手段の確認 | 車か公共交通機関か、所要時間もチェック |
当日の服装 | 動きやすい靴・服(実車講習あり) |
費用の用意 | 現金のみの場合も多いので事前に確認 |
また、体調が悪い日は無理せず、必ず予約先に連絡を入れて日程を調整しましょう。
予約当日に無断で欠席すると再予約が取りづらくなるケースもあるので、注意が必要です。
時間に余裕を持って、落ち着いて受講できるよう準備しておいてくださいね。
まとめ|免許更新は70歳から高齢者講習が必要
免許更新時に「高齢者講習」が必要になるのは、70歳からです。
65歳以上で講習があると勘違いされがちですが、実際に制度として義務づけられるのは70歳以上の方になります。
さらに、75歳を迎えると「認知機能検査」が加わり、更新のプロセスがもう一段階厳格になります。
これらはすべて「安全運転を続けるため」の制度であり、免許を一律で取り上げるためのものではありません。
免許更新を迎えるご本人はもちろん、ご家族の方にも知っておいてほしい内容です。
不安や疑問があれば、地域の免許センターや役所、教習所に相談することも大切です。